N20206005
概要
試験薬(経口薬)として、本研究用に搬入された医薬品ではなく診療用の同一医薬品が処方され、研究対象者が服薬した。
研究対象者へ速やかに説明し、診療用医薬品を回収の上、試験薬により本研究を継続した。
対応状況等
・経緯
当該研究対象者から同意を取得後、本研究へ登録され、その後、試験薬が「治験薬管理室」に搬入された。
当該研究対象者の診察時に、研究分担医師の指示で非研究医師が薬剤を処方したが、その際に試験薬ではなく診療用薬をオーダーした。研究分担医師は、研究対象者の家族との面談に集中し処方内容を確認していなかった。CRCは薬剤がオーダーされたことのみを確認した。薬剤部の調剤担当者は、本研究の研究対象者であることを察知できず、処方箋通りに調剤した。研究対象者は同日夜から薬剤の内服を開始した。
後日CRCが「治験薬管理室」へ投与開始を報告したところ、試験薬の処方が確認できなかったことから発覚した。研究対象者へ状況の説明を行い、有害事象(口内炎、筋肉痛)が発現したものの、効果があり、体調が良いことから服薬を継続した。
診療用薬は回収し、試験薬を処方した。
・発生要因
診察時、研究分担医師は家族との面談に集中しており、研究外の医師がオーダーした処方内容を確認していなかった。
・是正措置および再発予防措置
【当院管理者による対応】
研究責任医師からの報告を受け、研究代表医師を通じてCRB審査結果を確認し、適切な対応を行うように指示した。
またCRB審査結果を受け、再発予防策の実施について検討するよう指示し、その予防策が開始されたことを確認した。
【研究代表医師による対応】
CRBへ本件の報告を行い、再発予防措置について承認を得た。
【当院研究責任医師による対応】
再発予防策として、以下の2点を検討し、運用を開始した。
①初回投与時にCRCが試験薬請求票を治験薬管理室に事前提出すること。
②処方控えに試験の略号の記載があることを確認するよう、CRCから研究対象者へ伝えること。