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公開情報(N20210002)

N20190002

 

概要

研究対象者に使用期限が切れた廃棄予定の試験薬(注射剤)が投与された。(投与時点で約9か月超過)

当該研究対象者が研究への継続参加を希望され、効果安全性評価委員会の審議結果を踏まえ、安全性を引き続き観察の上本研究を継続することとなった。

対応状況等

・経緯

当該研究対象者から同意を取得後、本研究へ登録され、その後、試験薬が「治験薬管理室」に搬入された。当該研究対象者の診察で試験薬が投与可能と判断され、診察後に試験薬が投与された。薬剤部の確認により、投与された試験薬は「腫瘍センター」に保管されていた使用期限が切れた廃棄予定の試験薬であることが発覚した。搬入された試験薬は「治験薬管理室」に保管されていた。

当該研究対象者は、試験薬投与3日後に発熱、咳、倦怠感が見られたが、薬剤性の症状ではないことが確認された。

効果安全性評価委員会にて、再発防止策が策定されるまで当院での登録は中止とされた。

当該研究対象者が研究への継続参加を希望され、CRB、および効果安全性評価委員会の意見を踏まえ、安全性を引き続き観察の上本研究を継続することとなった。

・発生要因

1. 搬入された試験薬が、規定された保管場所に保管されていなかった。
2. 廃棄されるべき試験薬が廃棄されずに保管されていた。
3. 試験薬の調剤時に使用期限切れであることが見過ごされた。

・是正措置および再発予防措置

【当院管理者による対応】
CRB審査結果に基づき、研究責任者に対し、第1報報告においては研究対象者の状況を含め詳細情報の追加報告、及び第2報においては追加情報と再発防止の検討を指示した。
最終報告後、効果安全性評価委員会の意見に従った対応、並びに再発予防策の実行を指示した。
「治験薬管理室」が管理している全ての試験薬の保管状況、使用期限の点検を指示し、「治験薬管理室」による管理を徹底した。
試験薬管理に関するマニュアル作成を指示し、制定し、併せて関連手順書を改訂を行った。「治験薬管理室」所属員に対し教育研修、周知徹底を指示した。

【当院研究責任医師による対応】
当重大不適合把握後、速やかに当該研究対象者へ説明し、研究への参加意思を確認した。
研究グループ、他機関、院内関連部署へ情報共有を行い、再発防止につき検討を行った。
再発予防:①試験薬管理体制の見直し(試験薬の一元管理、試験薬管理簿の記録の統一化)、②「治験薬管理室」の情報共有の徹底
各種委員会、先進医療審査部会に意見を聴き、指示への対応を行った。