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公開情報

N20150156

 

概要

研究計画書に規定されていない中間解析の実施、およびその結果の国内外の学会における発表。
「研究結果の信頼性」に影響を及ぼす不適合と判断された。

対応状況等

・経緯

本研究より提出された定期報告に対する、認定臨床研究審査委員会(CRB)の指摘により判明した。

本研究は研究計画書に中間解析の実施を予定しない旨を規定していたが、この規定に反して、研究実施中に中間解析を実施し、その結果を国内外の学会で発表した(2回)。
当該中間解析の実施目的は、研究対象者の登録数を含む研究計画の見直し、および中間解析結果の公表による本研究の周知であった。

本件不適合の判明後、研究責任医師からCRBへ「重大な不適合報告書」が提出され、不適合の内容、発生要因、是正措置・再発防止措置等に関する報告内容が審議され、承認された。

・発生要因

研究責任医師、および中間解析を実施した研究分担医師は、本研究が中間解析の実施を計画していない研究であることを失念していた。

・是正措置および再発予防措置

【当院管理者による対応】
研究責任医師から提出された、本件に関する「不適合報告」に対し、CRBへ「重大な不適合報告書」を提出して意見を聴くよう指示した。
またCRBへ提出された「重大な不適合報告書」について、これに対するCRBの意見に従い、本研究を適切かつ速やかに終了するよう指示した。

【当院研究責任医師による対応】
研究計画書にあらかじめ規定されていない中間解析の実施が、研究結果の信頼性に影響を及ぼすことを改めて認識し、研究計画書に規定された解析等の実施に係る規定を確認するとともに、その遵守を徹底することとした。

また本研究の終了に向けた実施計画等の変更に関わるCRB申請を行い、新たな研究対象者の登録を終了するとともに、研究データの収集完了後1年以内に総括報告書を作成して終了通知を提出するとした。



N20192003

 

概要

中止基準の逸脱(中止判断の遅延)

研究対象者に良性と疑われた腫瘍の手術治療が行われた結果、術後病理診断の結果は悪性であった。本研究の中止基準に抵触したが、研究者は病理診断結果を適時的に把握せず、研究中止の判断が遅延した。

対応状況等

・経緯

本研究に参加された研究対象者に腫瘍が認められ、臨床的に良性腫瘍が疑われ手術治療が行われたところ、術後の病理診断では悪性腫瘍であった。研究者は、当該研究対象者から合併症の手術を受けたことを聴取していたが、その詳細に関する確認が不十分であった。
研究終了時に行ったモニタリングにより判明した。

当院管理者は、当院研究責任医師に対し、研究代表医師を通じて認定臨床研究審査委員会(CRB)へ「重大な不適合報告書」を提出し、意見を聴くよう指示した。
研究代表医師からCRBへ当該報告書が提出され、不適合の内容、発生要因、是正措置・再発防止措置等に関する報告内容が審議され、承認された。
当院研究責任医師から当院管理者へ、当該「重大な不適合報告書」およびCRB審査結果通知書が提出され、当院における確認後、了承された。

・発生要因

合併症の手術について研究対象者から聴取したが、手術治療を実施した他科医師への問い合わせや、他科診療録の確認を行わなかったため、術後病理診断の結果等の詳細を適時的に把握できなかった。

・是正措置および再発予防措置

【当院管理者による対応】
本件を「重大不適合」としてCRBへ報告するとともに、研究対象者へ本件不適合について説明するよう指示した。

【研究代表医師による対応】
下記の再発防止策を含む「重大な不適合報告書」をCRBへ報告し、審議の結果、承認された。
1) 中止基準に抵触する可能性のある他科疾患は、他科担当医師への確認や診療録の確認を行う。
2) 研究対象者に発現した疾病等を把握するよう注意する。

【当院研究責任医師による対応】
研究対象者へ本件について説明を行い、収集したデータの利用について同意を得た。



N20196026

 

概要

同意取得の不備(5名)
責任医師・分担医師ではない医師が、研究対象者より本研究への参加に関する同意を取得した。

対応状況等

・経緯

当院に着任した医師が、当院において研究分担医師として登録される前に、単独で5名の研究対象者から本研究への参加に関する同意を取得した。
当該医師は、当院着任前より他院にて本研究に参画しており、当院着任後、当院でも研究分担医師であるものと誤認した。
また当時の研究責任医師は、当該医師を研究分担医師として登録する変更申請等の手続きを失念していた。
当院管理者が本研究を対象に実施した自己点検により判明した。

当院管理者は、当院研究責任医師に対して厳重に注意するとともに、研究代表医師(他機関)と協議のうえ、認定臨床研究審査委員会(CRB)へ「重大な不適合報告書」を提出し、意見を聴くよう指示した。
その後、研究代表医師からCRBへ当該報告書が提出され、不適合の内容、発生要因、是正措置・再発防止措置等に関する報告内容が審議され、承認された。
当院研究責任医師から当院管理者へ、当該「重大な不適合報告書」およびCRB審査結果通知書が提出され、当院にて確認の上、了承された。

・発生要因

当該医師は、慶應に着任する前から本研究に参画しており、当院着任後、本来であれば当院の研究分担医師として追加する変更申請が必要であったところ、既にこれが行われているものと誤認した。また当時の責任医師も、臨床研究法令に規定された、当院研究分担医師の追加に関する手続きの実施を失念していた。

・是正措置および再発予防措置

【当院管理者による対応】
当院研究責任医師に対し、以下の4点を文書により指導した。
1) 当院における「不適合報告」を行うこと。また研究代表医師と協議の上、CRBへ「重大な不適合報告」を提出し、当該研究対象者への対応、収集した研究データの利用方針、再発予防措置等について意見を聴くこと。
2) 当該研究対象者に対し、本件について説明を行うこと。なお収集した研究データの利用に際しては、当該研究対象者から同意を取得すること。
3) 本件不適合に関する記録を作成し、当該研究対象者より取得した同意書とともに保管すること。
4) 以後、厳に再発防止を期すこと。

【研究代表医師による対応】
研究への参加に関する同意の取得は、当該実施医療機関の研究責任医師または研究分担医師により行われるべきことについて、全ての実施医療機関へ周知するとともに、他の実施医療機関において同様の不適合がないか確認した。また実施医療機関におけるモニタリングを再開した。

【当院研究責任医師による対応】
研究分担医師を継続的に確認するとともに、研究に携わる医師の教育を行うこととした。
また当院管理者からの下記指示に対し対応した。
1) 研究代表医師が実施する本件重大な不適合への対応に協力すること
2) CRBの指示(研究分担医師の管理の徹底)について、当院研究者に周知すること



N20186044

 

概要

同意取得の不備(3名)
本研究に精通していたが、研究分担医師ではなかった当院医師が、研究対象者3名より本研究への参加に関する同意を取得した。
当時の当院研究責任医師および研究分担医師は、いずれも当該研究対象者3名からの同意取得に関与していなかった。

対応状況等

・経緯

当院管理者が本研究を対象に実施した点検により判明した。
当院管理者から当院研究責任医師へ、研究責任医師または研究分担医師でない医師が同意を取得したことは不適切であることを指摘し、以後同様の逸脱を犯すことのないよう厳重に注意するとともに、研究代表医師(他機関)と協議のうえ、認定臨床研究審査委員会(CRB)へ「重大な不適合報告書」を提出し、意見を聴くよう指示した。
その後、研究代表医師からCRBへ当該報告書が提出され、不適合の内容、発生要因、是正措置・再発防止措置等に関する報告内容が承認された。
当院研究責任医師から当院管理者へ、当該「重大な不適合報告書」およびCRB審査結果通知書が提出され、当院にて確認の上、了承された。

・発生要因

臨床研究法令に関する理解不足

・是正措置および再発予防措置

【当院管理者による対応】
当院研究責任医師に対し、以下の4点を文書により指導した。
1) 本事案について当院「不適合報告」を行うとともに、研究代表医師と協議の上、CRBへ「重大な不適合報告」を提出すること。なお当該CRB重大不適合報告においては、当該研究対象者への対応、当該研究対象者より収集した研究データの利用方針、再発予防措置等について、CRBの意見を聴くこと。
2) 当該研究対象者に対し、本件について説明を行うこと。なお当該研究対象者より収集した研究データを利用する際は同意を取得すること。
3) 本件不適合に関する記録を作成し、取得した同意書とともに保管すること。
4) 以後、厳に再発防止を期すこと。

【研究代表医師による対応】
再発防止につき、全参加施設へ改めて周知し、徹底することとした。

【当院研究責任医師による対応】
1)当該医師を本研究の研究分担医師として追加する変更申請を実施し、CRBの承認および当院管理者の許可を得た。
2) 当該研究対象者に対し、本件不適合について説明を行った上、本研究への参加を継続されるか意思を確認し、全員より了承・承諾を得た。
3)再発予防のため、本研究の実施手順の再確認とその遵守に留意するよう本研究実施メンバーに求めるとともに、より良好なコミュニケーションを図ることとした。