アカデミアにおける監査の実施基盤を構築し、監査担当者として研究者を支援すること、
またアカデミアにおける監査担当者の不足を解消するため、監査担当者の育成を目指し、
臨床研究中核病院であり、またMARC(Metropolitan Academic Research Consortium)
の主要機関でもある慶應義塾大学病院に着任して、早や5年が経過しました。
治験・臨床研究の監査担当者は、必ずしも志望者が多い職種ではありません。
それは、治験・臨床研究において、監査担当者が研究の主体ではなく、
監査担当者との関わりが頻繁には生じないことから、その実際の業務や、
活動の意義が知られる機会が少ないことが、一つの理由かもしれません。
ご承知のように、臨床研究法の施行や、臨床研究法・安確法施行規則の改正、
あるいは生命・医学系指針の施行・改正などにより、近年、監査を必要とする
臨床研究は増加しています。
また医師主導治験も、臨床研究中核病院のみならず、さまざまな医療機関で
実施数が増加しています。
一方、アカデミアのAROにおける研究支援人材は、監査担当者に限らず、
常に不足しています。
監査担当者としての業務そのものは、アカデミアで治験・臨床研究に携わる場合と、
製薬等の企業、あるいはCRO(開発業務受託機関)において従事する場合とで、
大きく異なることはありません。
しかしながらアカデミアでは、個別の治験・臨床研究への支援に加え、
医師や研究グループ、所属機関が必要とする品質管理・品質保証に関して
一貫した支援ができることが、アカデミアにおける監査担当者に与えられた
醍醐味であると感じています。
また大学病院は、教育機関としての側面もあります。
臨床研究中核病院としての院内・院外の様々な活動や取り組みへの参加を通じて、
自らも学びながら、他機関への支援を行う役割も担っています。
やりがいは無限大です。
監査担当者あるいは監査担当者候補者として、共にアカデミアの臨床研究・治験
の支援を志していただける仲間を募集しています。
慶應義塾大学病院 臨床研究監理センター
研究基盤部門 信頼性保証ユニット長
工藤 由夏